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ジェネシスヘルスケア株式会社はSARS-CoV-2 (COVID-19)のリアルタイムPCR検査における偽陰性の発生割合、原因の特定及び減らす検査方法を発表

2020. 10. 14

~JPN-N2のみを用いたPCR検査では16.7%の頻度で偽陰性が発生している事を推察~
TOKYO, October 12, 2020 --遺伝子検査のパイオニアであるジェネシスヘルスケア株式会社(以下、弊社)は、この度、SARS-CoV-2 (COVID-19)のリアルタイムPCR検査における偽陰性の発生原因の一つを特定し、偽陰性を減らす検査方法を発表しました。

設立から16年間に渡るリアルタイムPCR検査(以後、PCR検査)の経験により、COVID-19検査の実施を開始した令和2年4月から8月まで合計11,652検体の検査結果を元に、解析手法及び結果を10月9日に論文(現在、プレプリント中)として投稿し、ウイルスの配列を探知するプライマーの感知・精密度をテーマとしました。

論文の題は: “Detecting and Isolating False Negative of SARS-CoV-2 Primers and Probe Sets Among the Japanese Population: A Laboratory Testing Methodology and Study”であり、日本の国立感染症研究所がCOVID-19検査プロトコールに推奨している2つのプライマー、JPN-N2、 JPN-N1(注意:現時点ではJPN-N2のみを推奨)に加え、米国CDC(Center for Disease Control)のCDC-N2、CDC-N1のプライマーを追加して同じ検査結果が実現できるかを検証しました。従来からCOVID-19のPCR検査に関しては偽陰性及び偽陽性の発症度合いが話題となっていましたが、国内では大規模検証が行われていなかったことから、弊社は、COVID-19国内外の国家研究機関等が提示しているプライマーを解析時に同時採用する事により、日本国内で生じていると思われる偽陰性及び偽陽性の発生度合いを検証しました。

結果として、総計11,652検体の中から102検体が陽性、そのうちの17検体(陽性全体の16.7%を占める)がJPN-N2、JPN-N1、CDC-N1、およびCDC-N2のプライマーとの関係で様々な形態で不一致が発生した事が判明しました。つまり、ウイルスに特有の種類株と変異がCOVID-19においても存在し、一つのプライマーのみを採用した検査手法では偽陰性の排除が困難で、これら不一致が偽陰性及び偽陽性の判定につながる可能性があると推察されます。

なお、本研究ではJPN-N2のプライマーとCDC-N2プライマーを同時に採用する事により高い確率で偽陰性が特定でき、更にCDC-N1を加える事により偽陰性を排除する精度が高まりますが、一方で偽陽性の発生率も高まります。

感染病の検査に用いられるPCR検査は、常にウイルス特有の種類株や変異を感知することで検査精度が高まります。しかしながら、現状では、各国が独自のプライマーの採用指針を提示しており、本研究を通じて同じ検体でも国の検査基準の違いにより、偽陰性や偽陽性につながる事が判明しています。国際社会及び経済発展の一環として国境を超える人々の国際移動が開始する中、COVID-19の新たな種類株が発生した場合には、世界で統一されたStandard Universal Primer (国際標準化されたPCRのプライマーセット)の必要性が高まってくると考えられます。

本研究について: 本論文の詳細は、下記medRxivのポータルにてアクセス可能です: The article preprint is available on the health science portals of medRxiv: - Doi: https://doi.org/10.1101/2020.10.07.20208264 - Data/Code: https://github.com/genesis-healthcare/covid-19_pcr_irregularities

論文の著者名: Wataru Tsutae1, Wirawit Chaochaisit1, Hideyuki Aoshima1, Chiharu Ida1, Shino Miyakawa1, Hiroko Sekine1, Afzal Sheikh1, Iri Sato Baran1, Toshiharu Furukawa1,2, Akihiro Sekine1,3 1 Genesis Institute of Genetic Research, Genesis Healthcare Corporation, Tokyo, Japan 2 Department of Surgery, School of Medicine, Keio University, Tokyo, Japan 3 Department of Emergency and Critical Care Medicine, Chiba University, Chiba, Japan

ジェネシスヘルスケア株式会社について: https://genesis-healthcare.jp/ Email: press@genesis-healthcare.jp

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